日本語教師とは?
みなさんは、日本語教師という職業を知っていますか?
「誰に教えるの?」
「英語を使うの?」
「どこで教えるの?」
「日本語教師をしています」と言うとそういった質問を多くいただきます。
私も、この仕事の存在を知ったのは、大学生のころでした。
この仕事も、まだまだメジャーではありません。
今回の記事では、日本語教師という職業の概要をお話ししたいと思います。
目次
1.誰に教えるのか
日本人に教えるの?なんてたまに言われますが、そんなわけありません。
もちろん外国人に教えます。
日本で教える場合と、外国で教える場合とがあります。
日本に住む外国人は、ざっくり言うと
①日本で働く人
②留学生
③技能実習生
④日本人の家族
⑤ ①および②の家族
が多いです。
日本語のレベルは、すでに日本で働いている人はたいてい話せることが多いのですが、
②~④の外国人は、日常会話もままならないことがあります。
私は日本語学校で留学生に教えていますが、国によっては、「何時ですか。」「大丈夫ですか。」などの基本的な日本語も知らないまま、日本に来ることもあります。
そんな学生は、はじめのうちはまったく指示が通らないので、大変です。
ジェスチャーをしたり、表情をつけたり、絵や文字をかいたりして、初級の教科書に載っている、できるだけ短い単語のみでコミュニケーションをとります。
その人たちが、
日本での生活に慣れ、
日本語で問題なくコミュニケーションが取れるようにし、
求められるならば進学や就職を目標に、日本語を指導していきます。
2.何の言語で教えるのか
語学教師といえば、英語を使うイメージがあると思われますが、日本語のみで日本語を教える方針の学校や先生が多いです。
理由は、2つあります。
1つ目は、英語が分からない外国人が多いからです。
外国人といえば、欧米の人を連想しがちだと思います。
メディアではあまりアジア圏の外国人を取り上げないからでしょう。
しかし2019年現在、日本に住む外国人のほとんどは、ブラジルを除いてアジア出身です。
中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジル、ネパールの順です。
法務省:平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)
彼らの母語は、もちろん英語ではありませんから、通じないのです。
フィリピン人とネパール人は国で英語教育が盛んなので、英語がある程度話せますが、中国人と韓国人は個人差がありますし、ベトナムではまったく通じません。
(ブラジル人には教えたことがありませんが、ブラジル人もデータによると話せないそうです。)
ですので、英語で教えたところで、理解してもらえないのです。
そして、2つ目の理由は、日本語で考え、日本語で話す頭にするためです。
外国語を勉強したことがある人ならわかると思いますが、いくら机の上で勉強しても、実際に話さないと上達しません。
言語を話すとき、知識はあっても、それを適切な場面で話せるか?ということが大変重要になってきます。
日本に住む外国人は増え続けていますから、すぐに同じ国のコミュニティができます。
特に日本語学校の場合、同じクラスに同じ国の人がいることも多いので、同じ国の友達と住んでいて、授業時間以外は日本語を話さない、という残念な状況に陥ります。
日本人にもありがちな、ダメな留学生あるあるですね。
そこで、授業内だけはせめて日本語を話す機会を増やそう!と先生たちは奮闘しているのです。
3.どこで教えるのか
教える場所は、主にこの6つです。
②専門学校附属の日本語コース
③小学校~高校(外国人児童・生徒)
④大学
⑤プライベートレッスン、スカイプ
⑥海外
③の場合は、外国人児童・生徒が多い地域に限られ、また、教員免許が必要なケースも多いので、チャンスが少ないです。
④の大学で日本語を教えるためには、基本的には、教師自身が大学院を卒業し、日本語に関する研究をしていなければいけないので、対象外の人が多いと思います。
⑤は、いきなり多くの生徒さんを集めるのは難しいですが、副業として始められる方にはいいと思います。
とはいえ、初めは給料が安定しないですし、他の教師の授業を見ることができないので、仕事としてしっかり給料を稼ぎたい人、自分の教え方に自信がない人にはあまり向きません。
⑥は、ハードルが高いように思えますが、周りを見ると、意外と海外から始めた人が多いのです。
海外なので、給料も低く、待遇もいいかどうかは、行ってみなければわかりませんが、チャレンジしてみるのもいいと思います!
したがって、日本語教師として教える場所は、①か②か⑥が多いです。
4.日本語教師についてのまとめ
日本や海外に住む外国人に教える。
日本語で教える。
日本語学校、専門学校附属の日本語コース、海外で教える場合が多い。
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