普通の学校と日本語学校の違い
お久しぶりです。
先日、違う業界の友人と話していて、
「語学学校ってマンツーマンが多いけど、日本語学校って、マンツーマンじゃないの?」
「1日何時間くらい授業をしているの?」
という話になりました。
そこで、本日は、
日本の小中高と、日本語学校の法的な面での違いと、授業面での違いについてお話ししたいと思います。
1.日本の小中高と、日本語学校の違い(法的な面)
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日本の小中高
日本の一般的な小中学校・高校は、学校教育法において「一条校」と呼ばれます。
つまり、国が認めた正規の学校です。
したがって、国によって補助金が与えられており、教師も国家資格が必要になります。
しかし、多くの日本語学校は、現段階では、学校教育法の「一条校」として認められていません。
学校法人の傘下にある日本語学校は、「各種学校」として認められている学校もありますが、非常に少ないです。
つまり、ほとんどの日本語学校は、国が正規の学校としては認めていません。
ただし、日本語学校は、生徒が「留学」のビザを得るために、法務省によって日本語教育機関として認められる必要があります。
ゆえに、日本語業界は、文部科学省よりも、法務省の下にあると言えます。
ですので、国からの補助金はなく、学生から得た学費のみで運営していくことになります。
学生が減っていけば、当然、経営は傾くわけです。
この辺りの業界のお金事情については、また後日お話ししたいと思います。
また、現時点では、教師に国家資格は必要なく、以前お話しした通り、日本語学校の教員資格の取得方法も様々です。
2.日本の小中高と、日本語学校の違い(授業について)
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日本の小中高
小中学校・高校の1クラスの人数の上限は、40名です。
日本人相手には言葉が通じますし、常識もある程度通じるので、40人という設定なのでしょうか。
それにしても、1人で40人の統制をとりながら、それぞれの個性を把握して、適切な指導をしていくというのは無理な話ではないでしょうか…。
ちなみに、私の高校では、2人担任制でしたが、小学校では1人で40人近くを見ていました。
本当に、学校の先生方、心中お察しします…。
そして、小学校は1人の先生が複数の教科を教えますが、中・高は教科担任制で、教科によって先生が変わりますね。
海外の語学学校や、英会話教室ではマンツーマンレッスンや、3~4人のグループレッスンが主流ですが、日本語学校の1クラスの上限は、20人です。
正直、20人でも多いな、と思うレベルです。
本当に、小中高の学校の先生方には、頭が下がります。
そして、私もこの業界に入ったばかりのころは、疑問で仕方なかったのですが、先生がほぼ毎日変わるんです。
教科担任制とは違って、1日中同じ先生なのですが、1つのクラスを複数の先生(3~5人)で教えます。これを、チームティーチングといいます。
このシステムのメリットは、
①学生がいろいろな日本語に触れられること
②学生が飽きずに勉強できること
③経営者側が複数の先生を確保しておけること
でしょうか。
デメリットは、「毎日、引継ぎをするのが面倒」という一点に限ります。
授業記録もありますが、直接聞いたほうがいいこともあるので、担任の立場からすると、けっこう手間だなと思います。
授業時間については、1日4時間程度で、読解、聴解、文法、語彙、試験対策などを勉強します。
3.まとめ
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日本の小中高 |
|
文部科学省の認可 |
〇 |
△ |
管理する省庁 |
ビザ:法務省 教育:文部科学省 |
|
教師の国家資格 |
〇 |
× |
クラスの人数の上限 |
40人 |
20人 |
先生 |
小学校:ずっと1人の先生 中高:教科担任制 |
1日4コマ ほぼ毎日先生が変わる |