日本語教師のキャリアプラン~日本語教師は職業ではない?~
日本語教師になりたいと思ったきっかけは、人それぞれだと思います。
・国際交流が好きで、外国人と関わる仕事がしたい
・もともと教育に携わっていたが、外国人に教えたい
・日本語が好きで、日本語を世界に広めたい
・海外に住んでいるので、現地で仕事をしたい
働き始める前に、日本語教師として働く自分の姿を想像し、わくわくすることでしょう。
しかし、その前に、日本語教師としてどんな働き方がしたいのか考えましょう。
キャリアプランが明確でない場合、業界の浮き沈み、勤務校に振り回されかねません。
1.なぜキャリアプランを考える必要があるのか
「日本語教師は職業ではない、生き方だ。」
という有名な言葉があります。
※詳しくは、細川英雄氏の『日本語教育と日本語事情』(明石書店 ,1999年)をご覧ください。
これは、非常勤で働いていても生活は厳しい。
専任で働いていても、仕事量のわりに給料が少ない。
つまり、この職業では、安定した収入を得ながら、ワーク・ライフ・バランスを保てる人が、非常に少ない。
それでもこの仕事を選ぶのは、学生や日本語に対する情熱があるからだ。
という意味だと私なりに解釈しています。(この業界の現状を変えないといけないと思っています)
これに対し、
じゃ、自分で「職業」を作ればいいじゃん!
というのが私の答えです。
「医者」「教師」「研究者」など、昔からある職業もあります。
しかし、インターネットの普及とともに、プログラマー、Youtuber、ブロガーなど、新たな職業も台頭してきました。
何も、既存の職業や働き方にこだわる必要はないと思っています。
非常勤やオンライン講師の場合、経済的な危機や災害が訪れたとき、収入の保証があるのでしょうか?
あるいは、専任としてただやみくもに働いていても、学校が経営に行き詰まった場合、どうなるのでしょうか?
そこで、日本語教師としての働き方を見直す必要があります。
国内の動向を気にしつつ需要を見極め、常に先を考えて、教師として学びながらも、キャリアアップをしていかなければいけません。(これは今、自分にも言い聞かせています…!)
2.キャリアプラン例
では、具体的にはどのようなキャリアプランがあるのか?
私の知っている限りの事例をご紹介します。
パターン1…フリーランス/非正規雇用/経験を積む
※これらを組み合わせれば、安定・高収入にもなります。
国内
・日本語学校の非常勤・常勤
・日本の小中高で、外国人児童生徒等に対する日本語指導員
・5年以上の経験を積み、日本語教師養成講座の講師(時給 高)
国内外問わず
・大学院で日本語教育の修士を取得し、大学の非常勤講師(時給 高)
・オンラインやプライベートレッスン
海外
・海外の日本語学校で数年勤務(2年以上勤務が条件のところが多い)
・EPA日本語講師としてインドネシア・フィリピンに7か月程度派遣
・JICAの長期/短期ボランティアとして参加(2~3年の日本語教師経験が条件の場合が多い)
パターン2…安定
・非常勤として勤務している学校/新規校や拡大中の学校を見つけ、専任になる
・3年以上の専任の経験を活かし、勤務校または新規校で教務主任になる
パターン3…発展/高収入
日本語教育のエキスパート
・教育に関する5年の経験を活かし、日本語学校を立ち上げ、校長になる
・大学院で博士号を取得し、大学教員になる
経験を生かして別の分野に
・経験を活かし、留学生・外国人向けの教育・進学・就職等に関する会社・団体に就職する
・留学生・外国人向けの教育・進学・就職等に関する会社・団体をつくる
・専任で働いた時の留学ビザの知識を生かして行政書士になる
※待遇については今後、また詳しい記事を書きたいと思います。
・パターン1のものを組み合わせる
・パターン1 → パターン2 → パターン3
・パターン2 → パターン3
・パターン1 → パターン3
というキャリアプランはどうでしょうか。
どの働き方が正解、ということもありません。
日本語教師+αの働き方もいいですし、
日本語教育のエキスパートになるのもいいですし、
これまでの経験を生かして転職・独立という方法もあります。
この業界に入りたい方、すでに入っているよという方は「日本語教育や外国人・留学生のサポートに携わりたい」という志はきっと同じだと思います。
みんなで一緒に、新しい道を模索していきましょう。
他にも、こんな働き方もあるよー!!というのがあれば、ぜひ教えてください。