日本語教師のチャンネル

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日本語教師が教案・絵カードを作るのにおすすめのwebサイト

 

今、日本語教師養成講座に通って いる方や、新米の日本語教師の方は、何を参考に教案や絵カードを作ればいいのか分からないと思います。

 

そこで、本日は、日本語教師が教案・絵カードを作るのにおすすめのwebサイトをご紹介します。

 

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webサイトを見る前の注意

ただし、紹介するサイトの内容が、すべて正しいわけではありません。

また、出版されている書籍・参考書に書いてあることが必ずしも正解だとは言えません。

 

教師が、自分の頭で考えて理解しなければ、参考書やwebサイトの教案のとおりに授業をしたところで、学生も分かりません。

 

教師が内容を咀嚼し、やさしい日本語(ティーチャートーク)を通して、相手に「伝えたい!!!」「学んでほしい!!!」と強い気持ちを持って話さなければ、学生にも伝わりません。

 

 

しかしながら、多くの書籍やwebサイトに目を通すことで、自分の解釈や言語感覚も研ぎ澄まされ、理解も深まります。

 

この記事が、みなさんの理解の助けになればいいと思います。

 

 

教案を作る時のおすすめは、

①まずは自分で、文法が使われる場面・意味を考える

②参考書や教え方の手引きで意味や使い方を確認

③いくつかのwebサイトで、例文を探す/教案を見る

④学生とのやり取りや指示を書き込み、教案完成!!

という流れです。

  

 

 

 

1.みんなの日本語の教案を作るとき

 

もちろん、「みんなの日本語 教え方の手引き」(スリーエーネットワーク)を見たほうがいいのですが、教師向けの解説になりますので、抽象的です。学生にそのまま話していては、絶対に分かってもらえません。

 

 

学生に話すときは、どんな言葉にすればいいのか?

また、授業の流れはどうすればいいのか?

 

そんなとき、以下のサイトを参考にすると良いでしょう。

 

 

① 日本語教師の教案

kyoan.u-biq.org

 

このサイトは、とてもシンプルな作りになっていますので、見やすいです。

主に導入、練習例が書かれています。

 

日本語学校はクラス定員20人ですので、これを基にして、20人が練習できるようにもっと練習を増やしましょう。(同じ練習方法でも、語彙を変える等)

 

・導入でも練習でも、先生と学生のやり取りを増やし、学生の特徴やクラスの雰囲気に合ったものにしましょう。

例)全員中国人のクラス→中国の文化・流行しているものを導入に入れる など

 

・TOPから飛んで、「みんなの日本語の各課の単語」というのがありますので、既習単語を調べたいときは、それを参考にできます。

 

 

② 日本語NET

nihongokyoshi-net.com

 

こちらは、学生とのやりとりを、多く書いてくれているサイトです。

 

みんなの日本語以外にも、たくさんの教案をアップしているサイトです。

探し方→ TOP>教案>みんなの日本語

 

みんなの日本語の1~10課は、絵カードまで用意してくれています。(2020年4月10日時点)

探し方→ TOP>みん日教材

 

こちらも、20人が練習できるようにもっと練習を増やしましょう

 

 

③ ちよさんぽ

chiyo-sampo.net

 

こちらも、学生とのやりとりが多めのサイトです。

 

こちらも、20人が練習できるようにもっと練習を増やしましょう

 

 

 

2.文法の例文を調べたい

 

初級では例文に困ることはあまりないかもしれませんが、初中級~中級レベルになってくると、

「練習させたいけど、例文が思いつかない…!」

「この文法、どんなときに使うんだっけ?」

となる機会が増えると思います。

 

そんなとき、以下のサイトが役立ちます。

 

① 日本語の例文

j-nihongo.com

 

参考書よりも語彙がやさしくシンプルで、非常に多くの例文を紹介してくれているので、学生に文を作らせる練習のとき、参考になります。

 

ただし、「~ものだ」のように、同じ読みでも意味がたくさんある文法もあるので、「どの意味で使っているのか」気にしながら使うと良いでしょう。

 

 

② 絵でわかる日本語

www.edewakaru.com

 

タイトル通り、絵で分かりやすく文法を説明したサイトです。私のお気に入りです!

 

例文はあまり多くないので、導入の文として使うのがおすすめです。

 

 

③ 日本語NET

nihongokyoshi-net.com

 

本日二度目の登場です! 回し者ではありません。(笑)

 

こちらは、簡単な意味説明と例文があります。

クラスのレベルに合わせて似たような文を作らせると良いでしょう。

 

探し方→ TOP>JLPT>文法

 

 

④ 日本の言葉と文化

nihon5-bunka.net

 

こちらも簡単な意味説明と例文があります。

初級~上級まで作ってくれていますが、「この文法はN2、この文法はN3」などはっきりとした区別はしていません。(実際の試験もそうですよね)

 

探し方→ TOP>日本語の文法

 

 

 

3.語彙導入をするとき

 

辞書を使うのはもちろんですが、ネットも活用したいとき、こちらがおすすめです。

 

Weblio類語辞典

thesaurus.weblio.jp

 

言葉を検索すると、その言葉の色々な意味と、類語がたくさん出てきます。

語彙の意味を、やさしい日本語(ティーチャートーク)に置き換えるときの参考になります。

 

 

 

4.著作権フリーのイラストを使って、絵カードにしたい

 

① いらすとや

www.irasutoya.com

 

言わずと知れたフリー素材集のサイト。

 

サイト内検索がGoogle検索と違い、検索したいものがうまく表示されないことがあります。

 

例えば、「質問する」で検索してもいい絵が出ない場合、「質問」に表記を変えたり、「授業」など別の言葉に変えたりすると、ほしいイラストが出てきます。詳しくはサイト内の「検索のコツ」ご覧ください。

 

その検索に慣れない場合は、Googleで「質問 いらすとや」と画像検索すると、出てきます。

 

② 日本語教育のためのイラスト教材

skrykk.blog.fc2.com

 

こちらは、日本語教師の方が無料公開してくださっています!

イラストがユニークで好きです。

 

1つの文法につき、そんなにたくさん絵があるわけでもないので、上の「いらすとや」と組み合わせるなどすると、クラスの全員が絵カードで練習できるでしょう。

 

③ 1絵で5キュー/日本語教師による日本語教師のためのイラスト

twitter.com

 

Twitterに彗星のごとく現れた、絵カードに困る日本語教師の救世主。

その名の通り、1つの絵で5つのキューができる(学生に文を作らせることができる)非常に便利な代物です。

こちらも無料公開してくださっています!

 

私もTwitterでお願いしたところ、快く引き受けてくださり、こんなにすてきな絵を描いてくださいました!!

 

http:// https://twitter.com/jpteachermeiko/status/1247027474052943872/photo/1

 

36課イラスト:(目的)ように~、(習慣的努力)ようにしています。

 例文 病気にならないように、 ①毎日30分走るようにしています。

                ②毎日11時に寝る~。

                ③肉を食べない~。

                ④魚や野菜を食べる~。

                ⑤お酒を飲まない~。

 

ちなみに私のTwitterはこちら→

twitter.com

 

 

日本語教師を始めてからのギャップ①留学生のレベル

 

日本語教師を始める前と後でギャップがあったことがいくつかありますが、

今回はその中の1つをお伝えします。

 

 

それは、留学生のレベルです。

 

 

 

 

1.日本語レベルが低い

留学生というと、大学に通っている留学生や、飲食店で働く外国人をイメージすると思います。

 

実は、彼らの日本語レベルはかなり高いのです。

 

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一方、日本語学校に入学してくる学生の中には、

国によってはあいさつ程度しか知らず、ひらがなやカタカナもちゃんと分かっていない学生もいます。

(N5レベルの試験に合格した人しか日本に留学できないはずなのに…)

 

それは、日本への留学がめずらしく、現地の日本語教師のレベルが低いからというのが大きい理由です。

 

 

また、母国で日本語を勉強してきていたとしても、勉強したことがないところが始まると、急にわからなくなって、ついていけなくなるという学生もいます。

 

この学生たちは、

 

・単に自宅学習の習慣がついていないか、

・母国でも勉強というものをしたことがないので、勉強の方法を知らない

・あるいは、母語ばかり話していて、日本語で物事を考える頭になっていないので、先生の話が頭に入ってこない。

 

などの理由が考えられます。

 

 

特に、非漢字圏の学生たちは、中国や韓国の学生に比べて不利です。

 

中国人はもちろん漢字が読めるので、文のだいたいの意味が分かります。

 

韓国人は、韓国語と日本語の文法構造が似ているので、文法が理解しやすいです。

 

留学生と聞くと、中国人、韓国人、欧米人を思い浮かべると思いますが、

実は2020年現在、ベトナム人やネパール人が急増しているのです。

 

 

言語的にも不利で、色々な意味で勉強の基礎ができていないのが、日本語レベルが低い要因となっています。

 

 

 

2.子どもっぽい

 

留学生の年齢層としては、18~22歳程度が最も多いです。

25、6歳の人は一番年上というくらいです。

 

母国で高校を卒業して、そのまま日本に来る人もいるので、子どもっぽい人が多いです。

 

国民性もあるのでしょうが、中学生のようにじゃれあったりする男子もいれば、中二病のように斜に構えた人もいます。

 

この仕事に就く前は、生活指導などはしたくないので、教える相手は大人がいいと思っていたのですが、かなり子どもで驚きました。(笑)

 

小学校のように「せんせー、せんせー」と構ってほしがる学生や、中学生のように憎まれ口を叩いて、「センコウなんて、かったりいなあ」と言わんばかりの学生など(古い?)…。

 

そんなわけで、生徒指導、生活指導が必要になります。

 

授業態度、宿題の提出、時間を守ること、掃除、アルバイトの時間、生活習慣の乱れ等、あらゆるお世話をすることになってしまいました!!

 

 

普通の学校と日本語学校の違い

 

お久しぶりです。

 

先日、違う業界の友人と話していて、

「語学学校ってマンツーマンが多いけど、日本語学校って、マンツーマンじゃないの?」

「1日何時間くらい授業をしているの?」

という話になりました。

 

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そこで、本日は、

日本の小中高と、日本語学校の法的な面での違いと、授業面での違いについてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

1.日本の小中高と、日本語学校の違い(法的な面)

 

  • 日本の小中高

 

日本の一般的な小中学校・高校は、学校教育法において「一条校」と呼ばれます。

本の学校は、皆様ご存知の通り、文部科学省の下にあります。

 

つまり、国が認めた正規の学校です。

したがって、国によって補助金が与えられており、教師も国家資格が必要になります。

 

 

 

しかし、多くの日本語学校は、現段階では、学校教育法の「一条校」として認められていません。

学校法人の傘下にある日本語学校は、「各種学校」として認められている学校もありますが、非常に少ないです。

つまり、ほとんどの日本語学校は、国が正規の学校としては認めていません。

 

ただし、日本語学校は、生徒が「留学」のビザを得るために、法務省によって日本語教育機関として認められる必要があります。

ゆえに、日本語業界は、文部科学省よりも、法務省の下にあると言えます。

 

ですので、国からの補助金はなく、学生から得た学費のみで運営していくことになります。

学生が減っていけば、当然、経営は傾くわけです。

 

この辺りの業界のお金事情については、また後日お話ししたいと思います。

 

また、現時点では、教師に国家資格は必要なく、以前お話しした通り、日本語学校の教員資格の取得方法も様々です。

 

 

 

 

 

2.日本の小中高と、日本語学校の違い(授業について)

 

  • 日本の小中高

小中学校・高校の1クラスの人数の上限は、40名です。

 

日本人相手には言葉が通じますし、常識もある程度通じるので、40人という設定なのでしょうか。

それにしても、1人で40人の統制をとりながら、それぞれの個性を把握して、適切な指導をしていくというのは無理な話ではないでしょうか…。

 

ちなみに、私の高校では、2人担任制でしたが、小学校では1人で40人近くを見ていました。

本当に、学校の先生方、心中お察しします…。

 

そして、小学校は1人の先生が複数の教科を教えますが、中・高は教科担任制で、教科によって先生が変わりますね。

 

 

 

 海外の語学学校や、英会話教室ではマンツーマンレッスンや、3~4人のグループレッスンが主流ですが、日本語学校の1クラスの上限は、20人です。

 

正直、20人でも多いな、と思うレベルです。

本当に、小中高の学校の先生方には、頭が下がります。

 

そして、私もこの業界に入ったばかりのころは、疑問で仕方なかったのですが、先生がほぼ毎日変わるんです。

教科担任制とは違って、1日中同じ先生なのですが、1つのクラスを複数の先生(3~5人)で教えます。これを、チームティーチングといいます。

 

このシステムのメリットは、

①学生がいろいろな日本語に触れられること

②学生が飽きずに勉強できること

③経営者側が複数の先生を確保しておけること

でしょうか。

 

デメリットは、「毎日、引継ぎをするのが面倒」という一点に限ります。

授業記録もありますが、直接聞いたほうがいいこともあるので、担任の立場からすると、けっこう手間だなと思います。

 

授業時間については、1日4時間程度で、読解、聴解、文法、語彙、試験対策などを勉強します。

 

 

 

 

 

3.まとめ

 

 

日本の小中高

日本語学校

文部科学省の認可

管理する省庁

文部科学省

ビザ:法務省

教育:文部科学省

教師の国家資格

×

クラスの人数の上限

40人

20人

先生

小学校:ずっと1人の先生

中高:教科担任制

1日4コマ

ほぼ毎日先生が変わる

 

 

日本語教師になる方法~独学でもできる?~

 

「教師」と聞くと、学校教員のように、国家資格があるように思われますが、今はありません。

 

日本語教師になれる資格は3つあります。

 

 

 

①大学または大学院で、日本語教師養成課程を修了 

②大学を卒業し、日本語教師養成講座420時間以上を修了

日本語教育能力検定試験に合格

 

 

法務省の「日本語教育機関の告示基準」の第十三項より

http://www.moj.go.jp/content/001265460.pdf

 

 

 

本日は、この3つの方法について詳しく説明していきますね。

 

 

目次

 

 

 

①大学または大学院で、日本語教師養成課程を修了 

 

 1つ目は、大学や大学院などで、日本語教師養成課程を修了するか、日本語教育に関する26単位を修得する方法です。

 

大学時代から「日本語教師になりたい」と思っていた人は①のように単位を取得しているでしょうが、

社会人になってから目指した人は、大学に入学し直すわけにもいかず、費用もかなりかかるので、現実的には②か③の方法でないと難しいですね。

 

 

②大学を卒業し、日本語教師養成講座420時間以上を修了

 

この方法は、費用がとにかく高いです。教材費等込みで、総額50~60万くらいかかります。

ほとんどの人がこの方法で日本語教師になっています。

最短でも半年、平均1年くらいで通学する人が多いです。

ただ、教案を書いて模擬授業をするので、仕事をしながら通うのは大変です。

 

メリットは、

・周りの人と一緒に勉強できることと、

・実習があるので、何度も授業の練習ができることです。

 

 

私も③の検定に合格していましたが、日本語教師として働き始める前に、「実習が必要だ!」と思い、通いました。

 

 

 

日本語教育能力検定試験に合格

 

③は合格率が2228で、仕事をしながら独学で勉強して一発で合格するのは難しいですが、1つの基本となる本さえ買えば、費用がテキスト代以外かからず勉強できます。

 

私は、③の方法で日本語教師になりました。

 

当時、養成講座に通うお金がなかったので、まずは検定に合格しようと思いました。

 

 

 

その勉強方法は、

1.1つのテキストで繰り返し勉強する

2.単元ごとに、自分の脳が覚えやすいように具体例を交えてノートにまとめる

3.テキストが終わったら、過去問を3年間分解いて、傾向を把握する

 

というものです。

 

2.のやりかたの例を詳しく説明していきます。

 

 

 

 

こちらがテキストです。

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そしてこちらが自分なりにまとめたノートです。

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汚いテキストとノートですみません・・・

 

 

こちらのノートは、私にしか分からない書き方になっていますが、それがいいんです。

脳の中でどのようにイメージすれば、試験の時に思い出せるかを考えた結果です。

 

 

やり方としては、

・テキストを読み、

・専門用語が出てきたら、まずはインターネット等でその言葉を調べて、かみ砕いて理解し、

自分だけの具体例を考えてまとめる。

 

ただこれだけです。

 

 

 

人によって、思考回路はもちろん、よく使う言葉が違いますから、テキストの著者の文章がすんなり記憶されることは少ないでしょう。(天才を除く)

 

ですので、自分自身が理解しやすい例を、できるだけ短い言葉またはイラストで書きます。

 

すると、試験の時や勉強のとき、映像として思い出すことができるんです。

 

 

私はこのノートを作り、テキストを何度も読み返して、過去問を解いて傾向を把握し、80%以上の正解率を取れるようになりました。(合格には70%以上が必要)

 

私が勉強に使用した本は、ヒューマンアカデミーの「日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」です。

 

 

仕事をしながらでも、勉強すれば、合格できます!

 

420時間の養成講座に申し込む前に、ぜひ一度ご検討ください!

 

 

 

 

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日本語教師とは?

 

みなさんは、日本語教師という職業を知っていますか?

 

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「誰に教えるの?」

「英語を使うの?」

「どこで教えるの?」

 

日本語教師をしています」と言うとそういった質問を多くいただきます。

私も、この仕事の存在を知ったのは、大学生のころでした。

この仕事も、まだまだメジャーではありません。

 

今回の記事では、日本語教師という職業の概要をお話ししたいと思います。

 

目次

 

 

1.誰に教えるのか

 

日本人に教えるの?なんてたまに言われますが、そんなわけありません。

もちろん外国人に教えます

日本で教える場合と、外国で教える場合とがあります。

 

日本に住む外国人は、ざっくり言うと

①日本で働く人

②留学生

技能実習

④日本人の家族

⑤ ①および②の家族

が多いです。

 

日本語のレベルは、すでに日本で働いている人はたいてい話せることが多いのですが、

②~④の外国人は、日常会話もままならないことがあります。

 

私は日本語学校で留学生に教えていますが、国によっては、「何時ですか。」「大丈夫ですか。」などの基本的な日本語も知らないまま、日本に来ることもあります。

 

そんな学生は、はじめのうちはまったく指示が通らないので、大変です。

ジェスチャーをしたり、表情をつけたり、絵や文字をかいたりして、初級の教科書に載っている、できるだけ短い単語のみでコミュニケーションをとります。

 

その人たちが、

日本での生活に慣れ、

日本語で問題なくコミュニケーションが取れるようにし、

求められるならば進学や就職を目標に、日本語を指導していきます。

 

 

 

2.何の言語で教えるのか

 

語学教師といえば、英語を使うイメージがあると思われますが、日本語のみで日本語を教える方針の学校や先生が多いです。

 

理由は、2つあります。

 

1つ目は、英語が分からない外国人が多いからです。

 

外国人といえば、欧米の人を連想しがちだと思います。

メディアではあまりアジア圏の外国人を取り上げないからでしょう。

 

しかし2019年現在、日本に住む外国人のほとんどは、ブラジルを除いてアジア出身です。

中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジル、ネパールの順です。

 

法務省:平成29年末現在における在留外国人数について(確定値)

 

 

彼らの母語は、もちろん英語ではありませんから、通じないのです。

フィリピン人とネパール人は国で英語教育が盛んなので、英語がある程度話せますが、中国人と韓国人は個人差がありますし、ベトナムではまったく通じません。

(ブラジル人には教えたことがありませんが、ブラジル人もデータによると話せないそうです。)

 

ですので、英語で教えたところで、理解してもらえないのです。

 

 

 

そして、2つ目の理由は、日本語で考え、日本語で話す頭にするためです。

 

外国語を勉強したことがある人ならわかると思いますが、いくら机の上で勉強しても、実際に話さないと上達しません。

 

言語を話すとき、知識はあっても、それを適切な場面で話せるか?ということが大変重要になってきます。

 

日本に住む外国人は増え続けていますから、すぐに同じ国のコミュニティができます。

特に日本語学校の場合、同じクラスに同じ国の人がいることも多いので、同じ国の友達と住んでいて、授業時間以外は日本語を話さない、という残念な状況に陥ります。

 

日本人にもありがちな、ダメな留学生あるあるですね。

 

そこで、授業内だけはせめて日本語を話す機会を増やそう!と先生たちは奮闘しているのです。

 

 

 

3.どこで教えるのか

 

教える場所は、主にこの6つです。

日本語学校

②専門学校附属の日本語コース

小学校~高校(外国人児童・生徒)

④大学

⑤プライベートレッスン、スカイプ

⑥海外

 

③の場合は、外国人児童・生徒が多い地域に限られ、また、教員免許が必要なケースも多いので、チャンスが少ないです。

 

④の大学で日本語を教えるためには、基本的には、教師自身が大学院を卒業し、日本語に関する研究をしていなければいけないので、対象外の人が多いと思います。

 

⑤は、いきなり多くの生徒さんを集めるのは難しいですが、副業として始められる方にはいいと思います。

とはいえ、初めは給料が安定しないですし、他の教師の授業を見ることができないので、仕事としてしっかり給料を稼ぎたい人、自分の教え方に自信がない人にはあまり向きません。

 

⑥は、ハードルが高いように思えますが、周りを見ると、意外と海外から始めた人が多いのです。

海外なので、給料も低く、待遇もいいかどうかは、行ってみなければわかりませんが、チャレンジしてみるのもいいと思います!

 

したがって、日本語教師として教える場所は、①か②か⑥が多いです。

 

 

 

4.日本語教師についてのまとめ

 

日本や海外に住む外国人に教える。

日本語で教える。

日本語学校、専門学校附属の日本語コース、海外で教える場合が多い。

 

 

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